この質問はとてもよく聞かれます。
言ってしまえば「人によりけり」ではあるんですが、どういうことか解説します。
リハビリを進めるのに必要な「予後予測」
医師やリハビリ職種は、患者さんの「予後予測」というものを行います。
☺️この人良くなりそうなだな
😥この人はちょっと厳しそうだな
という感覚は誰でもあると思いますが、それをなるべく客観的なデータをみながら行うというものです。
「発症から○日で、これくらい動けているから、今後はこう経過していくだろう」などと予測をたてます。
「脳卒中 予後予測」と検索するだけでも、約9000件ヒットします。
さまざまな論文が出ています。
予後予測に関わる要因はざっくり言うと
- 病気や怪我をする前は状態(元気だったのか)、その他の持病
- 病気や怪我の重症度
- リハビリの進み具合、経過
- 家族など周囲のサポート状況
などがあります。
重症度
例えば脳梗塞といってもピンキリです。症状も人それぞれ(脳梗塞の程度や部位)によっても全然違います。
下記サイトより引用
https://www.nhk.jp/p/kyonokenko/ts/83KL2X1J32/blog/bl/p92Kj48qlx/bp/pkyWK2DqZM/
骨折にも一応重症度がありますがまた、折を見て記事にします。
これらを材料にして、予後予測を行います。
正直、予後が悪いと判断された方はあまり積極的にリハビリを行わない場合が多いです。
我々のリソース(人員等)が限られているので、「見込み」がある方に対して、サービスを提供することが最適だと考えられるからです。
そういう意味では、かなり軽症の方も同様で、「自主練習」を設定して自分で行なってもらうことも多いです。
入院できる期間は決まっている!?
まず、病気になってからの期間で、おおざっぱに3つの時期にわけられます。
これらの定義ははっきりとしていませんが一般的なものは下記です。
- 急性期:病気発症からだいたい14日くらい
- 回復期:急性期を終了し、病状が安定するまで(だいたい6ヶ月)
- 生活期:退院してから生活期
急性期を過ぎて、まだリハビリが必要と判断された場合、多くの方は回復期リハビリテーション病棟に移ったり、リハビリ病院に転院し、リハビリ生活が続きます。
そこで脳血管疾患の方だと1日最大9単位(180分)などリハビリをします。
しかし、好きなだけ入院できるわけではなく期間が一応定められています。
基本的には重度の脳血管疾患の方は長くても6ヶ月程度
大腿骨などの骨折の方は3ヶ月程度が上限です。
退院後のリハビリは?
👩⚕️退院後もリハビリの必要性があります
医師の判断があった場合
- 病院やクリニックでの外来リハビリ
- 介護保険:介護施設での通所リハビリ
- 介護保険:介護施設へ入所(泊まり)でのリハビリ
- 訪問リハビリ(自宅で)
- 自費(保険適応外)でのリハビリ ー>個人の自由
※基本的に、介護保険を使う通所リハと外来リハビリは併用できません。
筆者の地域では(田舎)通所・入所リハビリ施設も空きがなかったりするところが多々あります。そのようにリハビリ施設を探しているけどなかなか無くて、「リハビリ難民」と呼ばれる方もいるようです。
医療機関にはMSW(メディカルソーシャルワーカー)と呼ばれる相談員さんがいます。退院してからのサービス利用等について相談に乗ってくれます。